平原草々の日記

思ったこと、音楽、本の感想など

浅田彰『ヘルメスの音楽』

浅田彰さんの『ヘルメスの音楽』を紹介します。ちくま学芸文庫から出ているもので読みました。
とても美しい本です。
思想、音楽、美術などについて、それぞれはそんなに長い文章ではないですが、詩的な文章で綴られており、著者自身も「あとがき」で、この本が好きだと告白しているように、喜びをもって書かれたような、陶酔感を感じさせる一冊です。
特に、シューマンについて書かれた文章や、フェルメールについて書かれた文章が好きです。
このシューマン論から、ロラン・バルトシューマン論などを読んで、シューマンを集中的に聴くようになり、自分でも弾いてみたりするようになりました。
私もいつか、ここに書かれているような文章で、芸術について語ってみたいと憧れていましたが、そのためには、著者のような豊かな情感と鋭い知性が必要だと読み返すたびに思います。