平原草々の日記

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ベートーヴェンの「交響曲第5番」

クラシック音楽の中で抜群の知名度を誇る、「運命」こと、ベートーヴェンの「交響曲第5番 ハ短調 作品67」です。

この曲は、私も子供のころから何とはなしに耳にし、ショッキングな出来事があると「ダ、ダ、ダ、ダーン」と表現することを身につけたりしてきたものですが、ベートーヴェン交響曲の中でも、とても完成度の高い、すばらしい作品であることがわかります。

特に、第1楽章の単一のリズム動機から音楽が構成されていくさま、抽象的なフォルムであっても、それが耳に入ると、何かしら暗い情念を湛えた、慟哭するような厳しい表現であることがわかり、聴くものを平常心ではいさせない、強い力があると思います。

第2楽章の安らぎ、第3楽章の明と暗の対比を経た後の、第4楽章の爆発するような勝利の行進には胸がすく思いがします。

ストーリー的には、苦悩から勝利への道といったわかりやすい構図に思えますが、それぞれの楽章を貫くように思える強い意志、旋律的より器楽的、具象的より抽象的な音世界は、ベートーヴェン独自の世界観だと思います。

ベートーヴェン交響曲の中でも、音楽の凝縮度という点では一番ではないかと思います。

有名な作品なので、どの演奏を聴いてもそれなりに満足ができる反面、どこかに不満が残るように思っています。

一番最初に聴いたのが、バーンスタイン/ニューヨークフィルの演奏なので、それが一つの基準になっていますが、どこかにもっとこの曲にふさわしいと思える演奏があるのではないかと、ポケットスコアを眺めながら、理想の演奏を脳内再生しています。