平原草々の日記

思ったこと、音楽、本の感想など

バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」

バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」を紹介します。
もともとこの作品は、カンタータ『心と口と行いと生活で』(BWV147)の中の一曲になります。
しかし今では、この曲単体で聴かれることがほとんどだと思います。
いろいろなアレンジで耳にすることが多い作品ですが、私は、マイラ・ヘスがピアノ編曲したものを、ディヌ・リパッティが弾いた録音をこよなく愛しています。
とても有名な演奏で、多くの方がこの演奏に賛辞を捧げておられます。
あの小澤征爾さんも、世界が滅びる前に聴いていたいと話されていたものです。
確かに、この演奏を聴くと、リパッティの他の曲の演奏とも違う「何か」が感じられます。
まるで、世界が滅んだ後に、無人の世界でそれでも鳴り響いている音楽といった趣きがあります。
人間の手が弾いているのではなく、天使か何かがリパッティに変わってピアノを奏でているような、そんな、無重力感、透明感があります。
その透徹した演奏に触れると、心が洗われ、精神が浄化されていくような感じがします。
今、久しぶりに繰り返し聴いていますが、すーっと心が穏やかになっていくような気がします。
リパッティの演奏以外では、高橋悠治の演奏(Yuji Plays Bach所収)も、そのそっけなさが返って素晴らしいといった演奏です。
このCD『Yuji Plays Bach』も、私の愛聴盤ですので、またいつか記事にしてみたいと思います。
今夜はリパッティの演奏を聴いて、心の平静と新たな眺望を得たいと思います。