平原草々の日記

思ったこと、音楽、本の感想など

ショパンの「ノクターン集」

ショパンのピアノ作品の中で、一番最初に好きになったのは、ノクターン(夜想曲)でした。
有名な作品9の2番が弾きたくて、一生懸命練習しました。
しかし、揺蕩うような旋律、暗闇にポツンポツンと水滴が落ちていくような左手の伴奏が思うように再現できず、今でも好んで弾きますが、いつまでたっても「違う違う」と言いながら弾いています。
この曲を弾くと、フィギュアスケート浅田真央さんが、16歳の時にこの曲で滑られた際の演技の様子を思い浮かべたりします。
CDでは、リカルド・カストロの全集(Arte Nova)が、とても素晴らしいと思っています。
美しいピアノの響き、自然に流れるような情感、夜に仄かな灯りの中で演じられる幻想的な物語を感じさせます。
ノクターンは、続けて聴いていくと、確かに地味な印象を受けますが、カストロのCDは、一曲一曲丁寧に演奏されている印象があり、心にそっと染みてくる演奏だと思います。
この全集を聴いて、晩年の作品62の二つのノクターンが好きになりました。
もはや、彼岸の世界に片足が入っているような曲だと思いますが、偉大な芸術家が最終的に到達した澄んだ境地を垣間見ることができるような気がしています。
また、好きなピアニストであるイーヴォ・ポゴレリチが弾いた作品55の2番も好きです。
心を落ち着けたい時や、夜眠れない時などに、カストロノクターン全集を取り出して良く聴いています。