平原草々の日記

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間宮芳生「ベリーを摘んだらダンスにしよう」

間宮芳生さんの「ベリーを摘んだらダンスにしよう」を紹介します。
間宮芳生さんは、有名な現代音楽の作曲家の一人であり、映画「火垂るの墓」の音楽なども担当された方です。
この作品は、毎年行われる吹奏楽コンクールの、1994年度の課題曲として作曲されたものです。
数多い吹奏楽コンクール課題曲の中でも、とても気に入っている一曲になります。
吹奏楽コンクールには、12分という演奏の時間制限があり、その中で課題曲と自由曲を演奏することになっています。
それまでのコンクールでは、課題曲は3~4分程度であり、自由曲に力を入れた演奏ができるように、時間も多くとれ、選曲もしやすかったのですが、課題曲の改定が行われ、この年は、始めてすべての課題曲が6~7分程度の長い曲になり、制限時間内に演奏できる自由曲を探すために、多くの団体が苦労をしたと思われる年でした。
逆にいうと、短い時間の曲を作曲しないといけなかった課題曲の制約が、若干緩和されたことになり、この年の課題曲はどれも、とても充実した内容の作品だったと思っています。
その中の一曲であるこの「ベリーを摘んだらダンスにしよう」は、そのタイトルから、いったいどんな世界が展開しているのだろうと、わくわくしながら聴いた覚えがあります。
曲は、スカンジナビアの舞曲や民謡から発想を得たと作曲者が言われる通り、北欧の風景が思い浮かぶ曲調で、所々、ストラヴィンスキーの影響が感じられもします。後半の盛り上がりを聴くと、体も自然とダンスのリズムに乗ってきます。
幸福感溢れる一曲だと思います。
ちなみに、間宮芳生さんは『現代音楽の冒険』(岩波新書)という名著を書いておられ、その中で、フィンランドを訪問し、いろいろな民俗音楽に触れたことを記しておられたので、案外、その際の旋律が遠くこだましているのかもしれないと思っています。