平原草々の日記

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コープランドの「アパラチアの春」

コープランドの「アパラチアの春」を紹介します。

アーロン・コープランドアメリカを代表する作曲家の一人で、「ロデオ」「エル・サロン・メヒコ」など親しみやすい作風の作品を多く残しています。

学生の頃に、バーンスタイン/ニューヨークフィルの、いわゆるコープランドの三大バレエ(「ビリー・ザ・キッド」「ロデオ」「アパラチアの春」)が収められたCDで聴きました。

最初の頃は、「ロデオ」の賑やかな部分が好きで「カウボーイの休日」「ホーダウン」を良く聴いていました。

この「アパラチアの春」は全体的に地味な印象で、聴くことがそんなにありませんでした。

その後、ヴァージン・ザ・クラシックから出ていた『20世紀のアメリカ音楽集』というオムニバス・アルバムに収められた、ヒコックス/シティ・オブ・ロンドンシンフォニアの演奏を聴き、その緻密な演奏、内側から湧き上がるような静かな喜びに満ちた表現を聴いて、この曲の魅力を知ることとなりました。

この「アパラチアの春」は、アメリカの開拓民達が新しい家を建てた後の春の祝典を表現した音楽とのことで、曲全体にも敬虔な喜びが満ちています。

薄いテクスチャーのため、アンサンブルがしっかりしていないと、曲のもつ透明感が表現しきれないと思うのですが、ヒコックスの演奏は、そこのところもしっかりしており、とても安心して聴くことができます。

しばらくは、このヒコックスの演奏を良く聴いていたのですが、最近は、最初に聴いたバーンスタインによる演奏も聴き直して、古き良きアメリカ的な雰囲気に溢れた演奏の魅力を再発見して、こちらの演奏も良く聴くようになりました。

表面的な賑やかさのある曲ではないですが、通して聴くと、ゆったりとした気持ちになれ、自分も、この春のつつましやかな祝典に臨席しているような気分になることができます。