平原草々の日記

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モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番」②

モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488」は、モーツァルトのピアノ協奏曲の中で一番好きな作品です。

 

明るい陽が射しているような曲で、モーツァルトの天衣無縫さ、無邪気な美しさの一つの頂点のような作品のように思っています。

 

ホロヴィッツ ジュリーニミラノ・スカラ座管弦楽団(DG)1987年
この曲を黄金色の明るさで満たしているような演奏に思います。
バックがイタリアの楽団とあって、冒頭から、やや速めのテンポでありながら歌うような美しい表現に溢れており、聴いている方も、一緒にメロディーを口ずさみたくなるような気分になります。
ホロヴィッツのピアノも、しなやかで軽やかな表現であり、大家がくつろいで演奏している様が思い浮かびます。
モーツァルト作品の演奏の中でも、とりわけ好きなものの一つです。
 
こちらは、淡い光に満ちたソフトフォーカスな演奏に思います。
アーノンクールモーツァルトというと過激な表現が思い浮かびますが、この演奏ではそこまでのことはなく、どちらかというと、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の柔らかい音色、美しいアンサンブルが際立っているように感じます。
グルダのピアノも、とても柔らかな表現であり、どこかおとぎの国のお話のような儚い美しさを感じさせます。
 
まさに古典派のピアノ協奏曲と思わせるような、折り目正しい演奏に思います。
ベームによるきっちりとした進行の中にも、ウィーン・フィルのふくよかな表現が聴かれ、静かな喜びに満ちたような雰囲気を感じさせます。
ポリーニのピアノも非の打ちどころがない端正な演奏を聴かせてくれます。
 
この曲の演奏については、上記の3枚が特に素晴らしいものだと思っています。
その中にあって、やはりホロヴィッツ盤の推進力のある演奏が、私の中では頭一つ抜け出しているような状態です。