平原草々の日記

思ったこと、音楽、本の感想など

マーラーの「交響曲第9番」②

マーラー交響曲で一番好きなのは、やはり9番です。
といっても、非常に重たい作品なので気軽に聴けるものではないように思いますが、青春の一時期に、いろいろな演奏を集めて、憑りつかれたように聴いていたことがあります。
この交響曲は、マーラーの他の交響曲に比べて、全楽章ともバランスがよく、そのどれもが完成度が非常に高いと思っています。

クルト・ザンデルリンクBBCフィル
この演奏によってこの曲の真価に目覚めた、私にとってとても大切な一枚です。
緻密でありながら大きな流れも感じられる、とても素晴らしい演奏だと思います。
ちなみに、評論家の許光俊さんが『クラシックCD名盤バトル』(洋泉社新書)という本の中でこのCDを取り上げておられます。
私は、この本を読む前に、この演奏に出会って感銘を受けており、自分が密かに愛している演奏が、高名な評論家にも取り上げられているのを見て、とても嬉しく思ったものです。

バーンスタインベルリンフィル
以前の記事でも取り上げた演奏です。やはり、この燃焼度は只者ではないと思います。
バーンスタインの熱い指揮に必死で食らいついているベルリンフィルの姿が思い浮かびます。
細部は危うくともこの曲が内包するエネルギーを、ここまで発散させた演奏は他にはあまりないように思います。

ブーレーズ/シカゴ響
ブーレーズの演奏は昔から好きで、特にDGに移ってからの演奏は円熟味を増し、どの盤もとても素晴らしいと思って聴いていました。
そして、この「9番」の演奏が出たときはとてもうれしく、喜び勇んで買った思い出があります。
一聴してその細密な演奏に驚嘆しました。
スコアを眺めながら聴くと、この作品の緻密な書法が高いレヴェルで再現されており、とても勉強になりますし、ただ流して聴くだけでも柔らかなサウンドの中から、この曲の持つ終末観が穏やかに浮かび上がるように感じられます(若干トランペットの音が大きいようにも思いますが)。

その他では、バルビローリ/ベルリンフィルクーベリックバイエルン放送響のものが印象深いです。