平原草々の日記

思ったこと、音楽、本の感想など

三島由紀夫『奔馬』

豊饒の海』第二巻『奔馬』を読み終わりました。

やはり『春の雪』の感動には及ばなかったです。

主人公の勲を中心に物語は進みますが、思想小説のような進行であり、少し一本道のような気もしました。
思想の内容についても、理解はできるが共感まではできないものであり、そこまで入り込めなかったこともありました。
もう少し、槙子とのエピソードなどがあれば、話に膨らみができるのではないかなどと思いました。
また、いくら思想上の理由と言えども、最終的に殺人という手段をとるのも、どこか、私にはあまり心よい終わり方ではないように感じました。
まあ、私の傾向が「ますらおぶり」ではなく「たおやめぶり」なだけかもしれませんが。

しかし、やはり文章は素晴らしく、現代日本語の小説文のひとつの到達点のように感じました。

次の『暁の寺』は、内容をほとんど覚えていないので、初読のような気持ちで読むようになります。
楽しみに読んでいきたいです。